ジャケットを着ようとしたら、目当てのジャケットが見つからない。デニム地なので、仕事のときはあまり着ないのだが、土曜日でもあるし、それほど堅苦しい場所でもないので着ていこうと思ったのに、見つからない。時間も迫ってくるので諦めて他のものを着て出かけた。
一夜あけて、家捜ししてみた。あのジャケットは私のお気に入りなのだ。大阪で、友人と町を歩いていて、目に留まった、しかも自分としてはかなり頑張って買った品物だ。
清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったのに、無くすはずがない。
しかし家のどこにもない。手帳と首っ引きで、出かけた日を調べていった。最近は着ていないことが分かった。
最後に着たのは・・・ゴールデンウイークに白浜へ行ったとき!
急いで白浜へ電話すると、部屋にかかっています、と言う返事。リゾートマンションなので、洋服かけにかけた服は誰も見てくれない。私の大事なジャケットは一月あまり誰にも気付かれずに、洋服かけにいたわけだ。
ゴールデンウイーク真っ最中の帰り際、早く出発しないと渋滞に巻き込まれると、ばたばたと帰ってきたことを思い出した。
襟に針金が入っているので、小さくたたんで郵送してもらうのも心配なので、そのまま置いておく事にした。
もう夏まで白浜へは行かないから今年の春はもう着れない。流行のある洋服を1シーズン着られないなんて。流行おくれになっても来年も着てやると心で誓った。もともと流行なんて分からないし、気がつかない人間だ。
お気に入りのジャケットがないことを1ヶ月も気が付かないなんて、我ながら情けない。